EB債はメリットなしでリスク高い!そのカラクリを徹底解説します。

EB債のリスク 仕組み債

EB債とは、他社株転換条項付き債券のことをいいます。

EB債は、仕組債の一種で以前紹介した日経平均連動型の仕組債よりも高い利回りが出ることが一般的です。EB債には、1つの株式に連動するものから2つの株式、3つの株式に連動する商品があります。

1つの株式に連動するEB債のことをシングルと呼び、2つの株式に連動するものをペア、3つの株式に連動するものをトリオと呼びます。トリオEB債の場合、金利が20%を越えるものも珍しくありません。

現在の1年物の定期預金の金利は0.01%です。もし、1億円を0.01%の定期預金にしても1年後に受け取れる利息は、1万円に過ぎません。しかし20%の金利が付くトリオEB債を購入すれば2,000万円の利息が付くことになります。

これだけ聞くと、EB債はとてもいい商品のように思えます。しかしEB債はリスクのかたまりの金融商品なのです。

EB債の仕組み

EB債は、仕組債の一種で、基本的な仕組みは日経平均連動型の仕組債とほぼ同じです。

EB債は、組み入れている株式が、ノックイン価格に到達しなければ投資元本は保証されます。

ノックイン価格に到達した場合は、満期の時に満期の時の株価で株式になって戻ってきます。

判定日に利率判定価格を下回っていなければ高い金利を受け取ることが出来ます。利率判定価格を下回ってしまうと低い金利を受け取ることになります。

また判定日に、ノックアウト価格に到達しているとEB債は早期償還され満期前に終了する仕組みです。

EB債の仕組み

参考: https://www.iwaicosmo.net/netlp2/structured_bonds201810.php

EB債事例解説

EB債の仕組みを具体的に事例で解説します。

シングルEB債の条件

  • 組み入れる銘柄をソフトバンクグループと仮定(11月6日の終値:4,332円)
  • 期間:5年(ただしソフトバンクグループ株価が判定日に105%になったら早期償還)
  • 判定日:3か月ごと
  • 判定日に4,332円の105%(4,549円)になったら早期償還(ノックアウトといいます)
  • 判定日のソフトバンクグループ株価が4,332円の80%から105%の範囲で収まれば高い利息がもらえる(一般的に5~6%)
  • 判定日にソフトバンクグループ株価が4,332円の80%を切ってしまうと低い金利を受け取る。(一般的に0.1%)
  • 仕組債保有期間中(判定日ではありません)に一度でもソフトバンクグループ株価が4,332円の60%(2,560円)を下回ってしまったら満期の時に満期時点の株価でソフトバンクグループの株を受け取ることになる。(ノックインといいます。)ただしノックインしても判定日にソフトバンクグループの株価が105%を越えていれば早期償還する。(投資元本が戻ってくる)(逆にいえば仕組債保有期間中に一度も60%を切らなければ満期の時にソフトバンクグループ株価が4,332円を下回っていても投資元本が戻ってくる。)

というのが一般的なEB債の条件です。

つまり、株価が上がってしまうと早期償還、下がってしまうと、低い金利を受け取ることとなり。60%を下回ると、元本の保証がなくなってしまうという感じです。

なぜEB債を購入してはいけないのか?

EB債を購入してはいけない理由は、ずばり、リスクが高すぎるからです。

高い金利を受け取ることが出来ることはEB債のメリットですが、高い金利を受け取れるということはそれだけリスクが高いということです。

現にEB債は、アメリカやヨーロッパでは個人投資家に販売するのは禁止になっています。

なぜリスクが高いかというと、株式のリスクは日経平均株価とは比にならないほど高いからです。

日経平均株価は、東京証券取引所に上場している主要銘柄を集めた平均株価です。たくさんの銘柄を集めているのでリーマンショックなどがない限り1日に10%以上落ちることはあまりありません。

しかし、個別株は違います。決算の結果が悪かったりすると平気で1日に10%以上値下がりすることがあります。下の図は、2019年11月1日の値下がりした銘柄になります。

これを見ると1日で30%以上も下がる銘柄もあるのです。個別株の値動きは、日経平均株価とは比べものにならないくらい動くのがこれで分かると思います。

個別銘柄の下落率

参考:https://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=2&mk=1&tm=d

これだけ値動きが激しいと仮にノックイン価格が50%だとしても安心できません。EB債は確かに金利が高いですが、リスクに見合う金利なのかは非常に疑問です。

EB債は手数料高い

EB債は、顧客が負担する手数料はありません。

しかし、銀行や証券会社などはEB債を販売することによって非常に高い手数料を受け取ることが出来ます。3つの株式の株価に連動するトリオEB債の場合、6%以上の手数料を銀行や証券会社は受け取ることが出来るケースが多いです。

顧客は確かに手数料を払うことはありませんが、これだけ高い手数料を金融機関は受け取ることが出来るということは、本来、顧客はもっと高い金利を受け取ることが出来るのに手数料分ひかれていることになります。

銀行や証券会社などの金融機関はリスクゼロで高い手数料を受け取ることが出来るのがEB債なのです。私も現役の銀行員の時よく仕組債の販売をしていました。

私のいた銀行では銀行から直接、EB債を販売することは出来ませんでした。

しかし、グループ会社の証券会社を紹介してEB債の販売をすることは出来ました。多くの銀行員が、手数料目当てに証券会社を紹介してEB債の販売をしているのです。

シングルでもリスクが高いのに…ペアやトリオも販売

EB債は、1つの株式に連動するシングルでも十分リスクが高いです。しかし更にリスクが高いのがペアEB債やトリオEB債です。

ペアやトリオの場合、金利はシングルよりも高く出ますが、リスクは恐ろしいことになります。先ほどお見せしたように個別株は平気で10%以上、1日で下がります。

ペアやトリオのEB債は銘柄多い分、更にノックインする可能性は高くなるのです。しかもペアやトリオの場合、ノックインして満期の時に戻ってくる株式は、満期の時点で一番下がっている銘柄になります。

仮にノックインした銘柄が、値を戻しても満期の時に戻ってくる銘柄は一番値下がっている銘柄なのです。

これだけリスクの高い金融商品を買う意味があるとは私には思えません。

まとめ

今回は、仕組債の一種であるEB債について説明をしました。EB債は金利が高いですが、リスクのかたまりのような仕組債です。

金利が高いといってもEB債のリスクに見合う金利とは思えませんしノックインした時のリスクが高すぎます。購入する必要のない金融商品だと思いますが、どうしてもEB債を購入したい方は、無くなってもいいお金で購入することをおすすめします。

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