仕組債がおすすめできない理由とそのからくり「日経平均連動型ノックイン仕組債」

日経平均連動型ノックイン仕組債の特徴 仕組み債

私は都市銀行に13年勤めていました。在籍中は、個人顧客や法人顧客に金融商品の販売を主に行っていました。銀行は営業成績がすべてでしたので多くの金融商品の販売をしてきました。

しかし銀行で販売する金融商品のほとんどはおすすめ出来るものではありませんでした。

銀行で扱っている金融商品のほとんどがおすすめ出来ないものです。

ですが中でも、仕組債は、銀行で扱っている金融商品のなかでワースト3に入る商品です。

今回は、仕組債がおすすめ出来ない理由について説明します。「日経平均連動型ノックイン仕組債」をピックアップしています。

仕組債とは

仕組債とは、その名の通り、債券に特殊な仕組みを付けた債券になります。

特殊な仕組みとは、オプション取引やスワップといったデリバティブ(金融派生商品)を組み入れていることをいいます。

難しいことはいいとして、要は仕組債は、様々なオプションを付けた債券になります。

今回は、代表的な仕組債の「日経平均連動型ノックイン仕組債」について説明します。

日経平均連動型ノックイン仕組債とは

日経平均連動型ノックイン仕組債は、日経平均株価に連動した債券になります。

日経平均連動型ノックイン仕組債の一般的な商品性は以下のようになります。

<現在の日経平均株価が20,000円と仮定>

  • 期間:5年(ただし日経平均株価が判定日に105%になったら早期償還)
  • 判定日:3か月ごと
  • 判定日に20,000円の105%(21,000円)になったら早期償還(ノックアウトといいます)
  • 判定日の日経平均株価が20,000円の80%から105%の範囲で収まれば高い利息がもらえる(一般的に2~3%)
  • 判定日に日経平均株価が20,000円の80%を切ってしまうと低い金利を受け取る。(一般的に0.1%)
  • 仕組債保有期間中(判定日ではありません)に一度でも日経平均株価が20,000円の60%(12,000円)を下回ってしまったら元本の保証がなくなる。(ノックインといいます。)(逆にいえば仕組債保有期間中に一度も60%を切らなければ満期の時に日経平均株価が20,000円を下回っていても投資元本が戻ってくる。)

というのが、一般的な日経平均連動型ノックイン仕組債の条件です。

日経平均連動型ノックイン仕組債の特徴

参考:https://www.iwaicosmo.net/netlp2/structured_bonds201810.php

日経平均連動型ノックイン仕組債の特徴

日経平均連動型ノックイン仕組債の特徴は、ノックイン価格まで、仕組債保有期間中に一度もいかなければ、投資元本が保証されることです。

通常の日経平均連動型投資信託の場合、日経平均株価が少しでも下がってしまうと投資元本は下回ってしまいます。

しかし、日経平均連動型ノックイン仕組債の場合は、ノックイン価格(一般的には基準価格の60%、日経平均株価が20,000円の場合は、12,000円)までいかなければ投資元本は保証されます。

また仕組債保有期間は、判定日(一般的には3か月ごと)に利率決定価格からノックアウト価格(一般的には基準価格の80%から105%。

日経平均株価が20,000円の場合は、16,000円~21,000円の間)の間に日経平均株価が収まっていれば高い金利(一般的には2~3%)が受け取れます。

元本割れの可能性が少なくて、高い金利が受け取れるので仕組債は一見すると良い商品だと思うかもしれません。

しかし、仕組債は顧客にとってマイナス面が非常に多い商品です。

仕組債がおすすめ出来ない3つの理由

仕組債をおすすめ出来ない理由は3つあります。

① 日経平均が大きく上昇しても利益が限定される

仕組債をおすすめ出来ない理由の1つ目は、大きく利益が取れないことです。

先ほどの日経平均株価が20,000円の場合、ノックアウト価格は21,000円になります。

もし日経平均株価が上場基調で21,000円を大きく超えても、ノックアウトした場合は、投資元本しか戻ってきません。

一方、日経平均に連動する投資信託であれば日経平均株価が上昇した分、利益を享受することができます。

② ノックイン価格に一度でもいってしまうと元本割れの可能性が非常に高くなる

仕組債をおすすめ出来ない理由の2つ目は、ノックイン価格に一度でもいってしまうと元本割れの可能性が非常に高くなることです。下のチャートは日経平均株価の10年のチャートになります。2009年にリーマンショックがあった影響で、ここ10年の日経平均株価は上昇基調にあります。

しかし、ここ10年でも日経平均株価は10,000円を割っていた時期があるのです。もしノックイン価格に一度でもいってしまうと、基準株価に戻らない限り投資元本は割れてしまいます。

仕組債は一般的に3年や5年などの長い期間の債券です。満期までの期間が長いほど、ノックインにかかる可能性は高くなります。また一度下がるとなかなか日経平均は戻りません。

日経平均が12,000円まで下がると20,000円に戻るには、約67%上昇しなければいけません。一度ノックインにかかってしまうと元本が割れる可能性が非常に高くなるのです。

日経平均株価

参考:Yahoofinance日経平均株価

③ 満期まで解約ができない

仕組債をおすすめ出来ない理由の3つ目は、満期まで解約出来ないことです。満期前に解約してしまうと投資元本は大幅に割れてしまいます。(通常半分程度)高い金利を受け取れている間は良いですが利率決定価格を下回ってしまうと金利は0.1%程度になります。別の投資に切り替えれば利益を狙える局面でも仕組債を持ってしまうと解約できないので低い金利を受け取り続けるしかないのです。

仕組債、解約

参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/bond/foreignbond/structured_bond/
参考に楽天証券の仕組債の注意事項を載せました。仕組債は中途解約出来ないと思うのが無難な商品です。

まとめ

今回は、仕組債について説明しました。仕組債は、一見良さそうに見える商品です。

しかし、仕組債は大きく元本が割れる可能性のある商品です。また相場が低迷すると長期間保有せざる得ない商品です。

この記事を参考に仕組債に潜むリスクについてしっかり理解して頂ければ幸いです。

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