通貨選択型投資信託のデメリット(金融庁から販売規制が入った理由)

通貨選択型投資信託

通貨選択型投資信託とは、株式や債券などの投資対象に、為替取引の対象となる円以外の通貨を選んで投資することが出来る投資信託になります。

分かりやすくいうと、株式や債券の上昇+選択した通貨の為替差益や金利を受け取れる投資信託になります。

発売された当時、爆発的な人気を博した投資信託になります。

しかし現在は、通貨選択型投資信託は、下火になってきています。

何故なら金融庁から販売規制が入ったからです。ではなぜ金融庁は、通貨選択型投資信託は、販売規制をしたのでしょうか?今回は、通貨選択型投資信託について説明します。

通貨選択型投資信託の仕組み

通貨選択型投資信託は、投資対象である株式や債券の値上がり益に加えて選択した通貨の為替差益や金利を受け取られる投資信託と説明しました。通貨選択型投資信託の収益源は3つあります。

通貨選択型コース

参考:日本証券業界解説

① 投資対象の株式や債券の上昇

投資対象の株式や債券が上昇すれば当然ですが、基準価額は上昇します。

② 為替取引によるプレミアム(金利収入)

為替取引によるプレミアムとは、選択した通貨の短期金利が、投資対象資産の通貨の短期金利よりも高い場合に発生する収益です。例えば、選択した通貨がブラジルレアル(金利:5.5%)、投資対象資産の通貨が米ドル(金利:2%)だとします。

米ドルで投資するところをブラジルレアルで投資することになるので、ブラジルレアルで受け取れる金利は、5.5%です。

しかし、米ドルで投資すれば2%の金利を受け取れたことになるので、米ドルの金利2%を引くことになります。そうすると、5.5%-2%で3.5%の為替プレミアムを受け取れることになります。

逆に為替取引によるコストが発生する場合もあります。先ほどの例で投資対象資産に投資する通貨が、ブラジルレアルで、選択した通貨が米ドルの場合、米ドルで受け取れる金利は、2%です。

しかしブラジルレアルで投資すれば、5.5%の金利を受け取れたことになるので5.5%を引きます。そうすると、2%-5.5%で-3.5%の為替取引によるコストが発生してしまうことになります。

③ 為替差益

選択した通貨が、円対比上昇(円安)すれば、為替差益を得ることが出来ます。逆に円対比下落してしまうと、為替差損が発生します。

通貨選択型投資信託が販売規制された理由

一見すると通貨選択型投資信託は、投資対象資産の値上がりに加えて選択した通貨の金利収入や為替差益を得ることが出来るのでとても良い商品に見えるかもしれません。

現に選択できる通貨は、金利の高いブラジルレアルなどの金利が高い通貨が主になっています。銀行や証券会社は、販売規制される前は、新興国通貨のメリットを強調し、通貨選択型投資信託を大量に販売しました。

しかし、金融庁は、通貨選択型投資信託の販売を規制しました。

理由は、商品性が複雑すぎるのと、リスクが高すぎるからです。

主な選択通貨である新興国通貨は、先進国に比べて相対的に金利は高いのはメリットですが、株式並みに激しく変動します。

ブラジルレアル円チャート

上の図は、ブラジルレアルの5年間のチャートになります。1レアル50円程度から25円程度になっています。つまり半分の価格になっているということです。

新興国通貨はこのように激しく値動きするのでリスクが高い通貨なのです。

特に銀行で投資信託を購入する人は、投資に詳しくない人が多いです。

投資についてあまり詳しくない人が、通貨選択型投資信託のリスクを完璧に理解出来るとは思えません。リスクに高い株式などに更にリスクの高い通貨で運用することに金融庁は危機感を覚え販売規制をしたのです。

現在、多くの銀行や証券会社では、顧客の強い希望がない限り通貨選択型投資信託の販売はしません。例えば三井住友銀行の場合、顧客が希望したうえで支店長の面談がなければ通貨選択型投資信託の販売は出来ないようになっています。

通貨選択型投資信託は、買ってはいけない

通貨選択型投資信託は、仕組みをしっかり理解していない方は決して買ってはいけない商品になります。

リスクは先ほど申し上げたように非常に高いですし、信託報酬も高いからです。

商品性が非常に複雑なのでその分信託報酬も高くなります。

例えば、三井住友銀行で発売されている「エマージング・ボンドファンド」の信託報酬は、1.718%にもなります。

エマージング・ボンドファンド

参考:https://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/report/pdf/2234102019101716113031.pdf

リスクが高いうえ信託報酬も高い、通貨選択型投資信託で運用するメリットはあまりないと思います。もちろん運用開始時期によっては大きく上昇する可能性もあります。

しかしもし、新興国通貨で運用したいのならば、通貨選択型投資信託のように複雑な仕組みのファンドではなく、シンプルな仕組みの投資信託で運用すべきだと私は思います。

まとめ

今回は、通貨選択型投資信託について説明しました。

通貨選択型投資信託は、仕組が非常に複雑でリスクが高いファンドになります。

しかも信託報酬や購入時手数料も高いです。

通貨選択型投資信託の仕組みについて完全に理解してどうしても通貨選択型投資信託で運用したいという方以外は、通貨選択型投資信託は購入しないことをおすすめします。

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