銀行員が扱う贈与平準(相続税対策)はおすすめできない

相続

最近、銀行では「贈与平準」という手法が流行っています。

贈与平準とは、贈与を受けた資金で平準払い保険を購入することです。

平準払い保険とは、月払いや年払いの終身保険や個人年金のことをいいます。

贈与平準の契約が増えた背景に相続税の改正があります。

贈与平準の契約が増えた背景:相続税の改正

相続税は、2015年に大幅に改正になりました。

今までは、5,000万円+1,000万円×法定相続人の数が相続税の基礎控除でした。

しかし2015年に相続税の基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数に変更になりました。

父、母、子供2人の4人家族の場合、万が一のことがあると以前は、5,000万円+1,000万円×法定相続人(3人)=8,000万円が基礎控除になりました。

しかし、2015年からは、3,000万円+600万円×法定相続人(3人)=4,800円が基礎控除の対象になります。8

,000万円の資産を持っている人は少ないですが4,800万円の場合、首都圏に持ち家があって金融資産がある程度あれば4,800万円に到達してしまう人は少なくありません。

現に相続税が改正されてから相続税を納める人は、4%台から8%台に急増しています。東京都心部では、15%を越えているかもしれません。

相続課税割合の推移

参考:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/sozoku_shinkoku/index.htm

このように相続税を払う人が増えていることもあって、相続対策として贈与をする人が増えたのです。

相続対策としての贈与平準

贈与は、1人当たり年間110万円までは、非課税です。

贈与税早見表

家族に贈与をすれば家庭全体の金融資産は変わらずに、金融資産を減らすことが出来ます。

相続税がかかりそうな人は、家族に贈与をして金融資産を意図的に減らしているのです。

しかし問題は、贈与を受けた人が無駄遣いをしてしまう心配があることです。

そこで登場するのが、贈与平準です。贈与を受けた人が、月払いや年払いの終身保険や個人年金を契約すればすぐにお金をおろすことが出来なくなります。

契約した終身保険や個人年金を解約すれば、大幅に元本が割れてしまうからです。

しかも、終身保険や個人年金は、契約して10年など一定の期間が経てば、解約しても元本が割れない商品があります。元本が減らないどころか契約し続けていれば、一定の割合で増えていきます。

このような終身保険や個人年金を使えば、贈与を受けた人の無駄遣いを防ぎ、将来のためにお金を貯めておくことが出来るのです。贈与平準は非常に良い仕組みです。

ですが・・・、銀行で贈与平準の契約をすることはおすすめしません。

銀行で贈与平準の契約はしない方が良い理由

銀行で贈与平準の契約をしない方が良い理由は2つあります。

① 無理な契約形態で贈与平準の契約をさせようとする

贈与平準は、一般的に以下のような契約形態で契約をします。

  • 契約者:贈与を受けた人(お金をもらった人)
  • 被保険者:贈与をした人(お金をあげた人)
  • 死亡保険金受取人:贈与を受けた人(お金をもらった人)

上記のような契約形態で贈与平準を組むと、贈与をした人(お金を出した人)に万が一のことがあった時に死亡保険金が下りる形になります。

贈与平準は、毎年贈与を受けることを前提に組む仕組みになります。お金の出し手に万が一のことがあっても死亡保険金が下りるのでこの契約形態で贈与平準は契約をするのです。

しかし、銀行で贈与平準の契約をすると以下のような契約形態で契約させられることがあります。

  • 契約者:贈与を受けた人(お金をもらった人)
  • 被保険者:贈与を受けた人(お金をもらった人)
  • 死亡保険金受取人:贈与を受けた人(お金をもらった人)

上記のような契約形態で贈与平準の契約をすると、贈与をする人(お金をあげた人)に万が一のことがあっても保険の契約は継続します。

お金の出し手に万が一のことがあっても保険の契約が続くということは、贈与を受けた人が、今後も保険料を払っていく必要があります。

贈与をする人が亡くなっているので全額自分の負担で保険料を払わなければならなくなるのです。

何故銀行は、このような契約形態で贈与平準の契約をさせるかというと、贈与をする人の年齢が一般的に高齢であることが多いからです。

保険は高齢であるほど入りにくくなります。そこで銀行は、被保険者を高齢である贈与をする人にするのではなく、贈与を受ける人にするのです。

贈与をする人に万が一のことがあった時のリスクが高いので絶対に避けるべき契約形態にも関わらずです。

② 銀行の保険商品は良いものが少ない

銀行で取り扱っている保険商品は、保険会社が扱っている保険商品よりも商品スペックが劣るものが多いです。

せっかく贈与平準の仕組みを実行するのであれば、保険の商品は良い方が越したことはありません。

銀行で取り扱っている商品で贈与平準の契約をするのであれば外資系保険会社などのスペックの良い保険商品で贈与平準の仕組みを実行した方が良いかと思います。

まとめ

贈与平準は、相続対策に有効な仕組みです。しかし一般の保険の契約と違い仕組みが複雑なのでしっかり理解することが大切です。

銀行で贈与平準の契約をすると自分の意に合っていない契約になっているケースも多いのでもし贈与平準に興味があれば自分でしっかり仕組みについて理解することが大切です。

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